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60代の退職金の使い道|預金・投資・保険・住宅ローンの優先順位

2026.05.29

退職金の使い道を調べると、預金、投資、住宅ローン返済、保険、旅行、リフォームなど、さまざまな選択肢が出てきます。けれども、60代の退職金はランキングで決めるものではありません。

退職金は、現役時代のボーナスとは違います。これから先の生活費、医療費、介護費、家の修繕、配偶者の生活を支える資金です。使い道を決める前に、「使ってよいお金」と「残すべきお金」を分ける必要があります。

この記事の要点

退職金の使い道は、商品選びより順番が重要です。生活費、税金・社会保険料、住宅ローン、保険、運用資金を分けて考えると、退職金を使いすぎる失敗を避けやすくなります。

退職金の使い道は、商品ではなく順番で決める

退職金を受け取ると、どこに預けるか、何で運用するか、保険をどうするかが気になります。しかし、最初に決めるべきなのは商品ではありません。順番です。

  • 生活費を守る
  • 税金・社会保険料を残す
  • 住宅ローンや借入を確認する
  • 保険を整理する
  • 余裕資金だけを運用に回す

この順番を間違えると、増やすつもりで始めた運用や、安心のための繰上返済が、逆に老後資金を不安定にすることがあります。

1. まず生活費として使うお金を分ける

退職後に毎月赤字が出る家庭では、退職金の一部を生活費として取り崩すことになります。ここを曖昧にしたまま投資や繰上返済をすると、数年後に現金が足りなくなることがあります。

最初に、年金だけで生活費が足りるかを確認します。不足するなら、何年分を退職金から補うのかを決めます。月5万円不足するなら年60万円、10年で600万円です。月10万円不足するなら10年で1,200万円です。

2. 預金は「何もしないお金」ではなく守るお金

退職金を預金に置くと、増えないことが気になるかもしれません。しかし、老後資金では、すぐ使える預金にも役割があります。相場が下がったとき、医療費が必要なとき、家の修繕が出たとき、預金があることで慌てずに済みます。

預金は増やすお金ではありません。生活を守るお金です。何年分を預金で持つかを決めてから、運用を考えたほうが安全です。

3. 住宅ローンは「返す安心」と「現金を残す安心」を比べる

住宅ローンが残っている場合、退職金で返せば毎月の支出は減ります。ただし、手元資金も減ります。完済してよいかどうかは、利息だけでなく、完済後に何年分の生活費が残るかで考えます。

全額返済、部分返済、返済継続の3案を並べると判断しやすくなります。特に60代では、借金を減らす安心と、現金を残す安心の両方を見てください。

4. 投資は「余ったらやる」ではなく使う時期で分ける

NISAなどで退職金を運用する場合、10年以上使わないお金と、数年以内に使うお金を分ける必要があります。生活費に使う予定のお金まで投資に回すと、相場が下がったときに取り崩しが難しくなります。

退職金の運用で大切なのは、高い利回りを狙うことではありません。使う時期に合わせて、預金、債券、投資信託などの役割を分けることです。

5. 保険は退職後の役割で見直す

現役時代の保険は、家族の生活費、住宅ローン、教育費を守る目的で入っていることがあります。退職後は、子どもの独立、住宅ローン、貯蓄額、年金額によって必要な保障が変わります。

保険料が高いからすぐ解約する、退職金が入ったから全部残す、どちらも極端です。残す保険、減らす保険、解約してよい保険を、家計全体で見直します。

6. 退職金の使い道でよくある失敗

  • 住宅ローンを完済して現金が少なくなる
  • すすめられた金融商品に一括で入れる
  • 保険を残しすぎて毎月の負担が重い
  • 子どもや親への支援を出しすぎる
  • 毎月の赤字に気づかず普通預金から使い続ける

どれも一つひとつは自然な判断です。しかし、全体を見ずに決めると、退職金の減り方が早くなります。

まとめ

60代の退職金の使い道は、ランキングではなく優先順位で考えます。生活費、税金・社会保険料、住宅ローン、保険、投資の順に整理すると、何にいくら使ってよいかが見えやすくなります。

退職金は増やすためだけのお金ではありません。老後の生活を守り、必要なときに使える状態で残すことが大切です。

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この記事を書いた人・編集監修

Hajime Maeda。AFP、実務経験20年。退職金、老後資金、保険、住宅ローン、相続など、家計全体を整理する相談業務を行っています。記事では金融商品の良し悪しだけで結論を急がず、退職金を使う順番と残すお金の役割を重視しています。

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