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この記事の要点
高校無償化や就学支援金で授業料負担が軽くなっても、教育費全体がなくなるわけではありません。浮いたお金を生活費に混ぜてしまうと、大学入学時や受験期に資金不足になりやすくなります。大学入学費用、塾代・受験費用、家計の予備費、奨学金を減らす準備金に分けて考えることが大切です。
高校無償化や就学支援金の制度により、授業料の負担が軽くなる家庭があります。家計にとって助かる制度ですが、そこで「教育費が楽になった」と考えてしまうと、数年後に困ることがあります。
高校時代には、授業料以外にも塾代、模試代、受験料、交通費、部活動費、教材費などがかかります。さらに大学進学時には、入学金、前期授業料、引っ越し費用、パソコン、教材費など、まとまった支出が重なります。
高校で浮いたお金は、何となく生活費に混ぜるのではなく、数年後の教育費に先回りして移すことが重要です。
高校無償化や就学支援金は、授業料負担を軽くする制度です。ただし、家庭が負担する教育関連費用のすべてがなくなるわけではありません。
高校生活では、制服、教材、修学旅行、部活動、通学費、塾、模試、受験料など、授業料以外の支出が続きます。進路によっては、大学受験に向けた塾代や講習費が大きくなることもあります。
制度で軽くなった分を「余裕ができた」と見て使ってしまうと、大学進学時に必要な現金が不足する可能性があります。教育費は、高校単体ではなく、高校から大学までの流れで見る必要があります。
授業料負担が軽くなった分は、家計口座に入れたままにせず、目的別に分けることをおすすめします。口座を分ける、メモで管理する、家計表上で枠を作るなど、方法は家庭に合う形で構いません。
目的を分けると、「何のために残しているお金か」が見えます。教育費は使い道が多いため、区分せずに置いておくと、いつの間にか生活費や他の支出に消えてしまいやすいからです。
高校無償化で浮いたお金の使い道として、最も優先したいのは大学入学時の費用です。大学入学時には、入学金、前期授業料、施設費、受験関連費用、併願校の納付金、引っ越し費用などが短期間に重なります。
この時期の支出は、毎月の家計から少しずつ払うというより、まとまった現金が必要になります。高校の授業料負担が軽くなった分をここに回しておくと、教育ローンや奨学金に頼る金額を減らせる可能性があります。
「高校で浮いたから使う」のではなく、「大学で必要になるから先に移す」と考える方が安全です。
浮いたお金を塾代や受験対策に使う家庭もあります。それ自体は悪いことではありません。志望校や学習状況によっては、必要な支出になることもあります。
ただし、塾代や講習費は増やそうと思えば際限なく増えます。高校無償化で浮いた分があるからといって、そのまま塾代に回すと、大学入学時の資金が残らないことがあります。
塾代に使う場合は、月いくらまで、いつまで、何の目的で使うのかを決めておくことが大切です。模試、講習、個別指導などをすべて足すと、想定以上の金額になることがあります。
高校時代に浮いたお金を積み立てておくと、大学進学時に奨学金の借入額を減らせる場合があります。貸与型奨学金は卒業後に返済が始まるため、借入額が少ないほど本人の将来負担は軽くなります。
もちろん、奨学金を使うこと自体が悪いわけではありません。ただし、必要以上に借りると、卒業後の生活に影響します。高校時代に少しでも準備しておくことで、本人の返済負担を抑えられる可能性があります。
浮いたお金をすべて使い切るのではなく、「将来の借入を減らすお金」として残す発想も重要です。
教育費を考えると、すべてを学費に回したくなるかもしれません。しかし、家計には予期しない支出もあります。車の修理、家電の買い替え、医療費、親の介護、収入減などが起きることもあります。
教育費用の準備と同時に、家計の予備費も残しておく必要があります。予備費がない状態で教育費を優先しすぎると、急な支出が出たときに教育ローンやカード利用に頼ることになりかねません。
浮いたお金をすべて教育費に固定するのではなく、大学費用、受験費用、予備費に分けると、家計全体の安定につながります。
高校無償化は家計にとって助けになりますが、住宅ローン、保険、親の老後資金、大学費用の問題をすべて解決するものではありません。
特に50代以降の家庭では、子どもの大学費用と親の退職準備が近い時期に重なることがあります。高校で浮いたお金をどう使うかによって、大学入学時だけでなく、親の退職後の安心感も変わります。
制度で軽くなった分を消費に回す前に、家計全体で優先順位を決めることが大切です。
高校無償化や就学支援金で授業料負担が軽くなっても、教育費全体がなくなるわけではありません。高校時代には塾代や受験費用があり、大学進学時にはまとまった支出が必要になります。
浮いたお金は、大学入学費用、塾代・受験費用、家計の予備費、奨学金を減らす準備金に分けて考えると、数年後の資金不足を防ぎやすくなります。
制度で生まれた余裕を何となく使うのではなく、将来の教育費と家計全体に先回りして使うことが大切です。
高校無償化と大学費用を整理したい方へ
この記事を書いた人・編集監修
Hajime Maeda。AFP、実務経験20年。教育費、奨学金、退職金、老後資金、保険、住宅ローン、相続など、家計全体を整理する相談業務を行っています。記事では制度の一般論だけでなく、実際の家計で確認すべき順番を重視しています。
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