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名古屋市で浸水被害に遭ったら|片付ける前にやること・火災保険・罹災証明の確認方法

2026.09.09

2026年9月8日、名古屋市では記録的な大雨となりました。

気象庁の観測によると、名古屋では1時間に104.5mmという猛烈な雨を観測しました。

これは名古屋の観測史上1位となる1時間降水量です。

9月8日の日降水量も219.5mmに達し、道路の冠水や住宅・建物への浸水など、市内各地で大きな影響が発生しました。

今回の大雨で被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

この記事では、名古屋市および周辺地域で浸水などの被害に遭われた方に向けて、

  • まず何をすればいいのか
  • 片付けてしまっても大丈夫なのか
  • 火災保険は使えるのか
  • 家財や車の被害はどうなるのか
  • 罹災証明書は必要なのか
  • どこへ事故連絡をすればいいのか

といった、被災直後に知っておいていただきたいことをまとめます。

最初にお伝えしたい重要なこと

片付けや修理を始める前に、被害状況を写真や動画で残してください。

濡れた家具や家電を処分したり、床や壁を清掃したりする前の状態を、できるだけ多く記録しておくことが大切です。

まずは安全を最優先してください

浸水した自宅や店舗に戻った際、すぐに片付けを始めたくなると思います。

しかし、最優先すべきなのは安全です。

水が引いたように見えても、建物や電気設備などが被害を受けている可能性があります。

冠水している道路やアンダーパスなどにも近づかないでください。

無理に建物へ入ったり、危険な場所で片付けを始めたりせず、安全を確認したうえで復旧作業を始めてください。

【保存版】被災直後にやることチェックリスト

被災直後は、何から手を付ければよいのか分からなくなることがあります。

迷った場合は、以下を上から順番に確認してください。

① 自分と家族の安全を確保する

□ 自分と家族の安全を確認する

□ 周辺に冠水している場所がないか確認する

□ 浸水した建物へ無理に入らない

□ 漏電などが疑われる場合は、むやみに電気を使用しない

□ 浸水した車は、むやみにエンジンをかけない

② 片付ける前に写真・動画を撮る

□ 建物の外観をできれば4方向から撮影する

□ どこまで水が来たか分かる写真を撮る

□ 浸水の高さをメジャーなどと一緒に撮影する

□ 各部屋の全体写真を撮る

□ 床・壁・建具などの被害箇所を撮る

□ 泥や水が入った跡を撮る

□ 家具・家電などの被害を撮る

□ 家電はメーカー名や型番が分かる部分も撮る

□ 車が浸水した場合は車両・車内・浸水位置を撮る

③ 保険の契約内容を確認する

□ 火災保険の保険会社名を確認する

□ 保険証券番号を確認する

□ 「水災」の補償が付いているか確認する

□ 建物だけでなく「家財」も契約しているか確認する

□ 車両保険に加入しているか確認する

④ 保険会社または保険代理店へ連絡する

□ 被害が発生した日時を伝える

□ 被害を受けた住所を伝える

□ 床上・床下など浸水状況を伝える

□ 建物・家財の被害状況を伝える

□ 今後必要になる写真や書類を確認する

⑤ 被害を受けた物を記録する

□ 捨てる前に写真を撮る

□ 品名を記録する

□ メーカー名・型番を記録する

□ 購入時期や購入金額が分かれば記録する

⑥ 罹災証明書等を確認する

□ 住家の場合は「罹災証明書」を確認する

□ 店舗・事務所などの場合は「被災証明書」を確認する

□ 車や家財などの場合は「被災届出証明書」を確認する

⑦ 修理・復旧を進める

□ 保険会社に必要な手続きを確認する

□ 修理業者から見積書を取る

□ 見積書・領収書を保存する

□ 廃棄した物の記録を残す

時間がない場合でも、この5つは優先してください

□ 安全を確保する

□ 片付ける前に写真・動画を撮る

□ 火災保険の保険会社を確認する

□ 保険会社または代理店へ事故連絡する

□ 捨てる物も、捨てる前に写真を撮る

片付ける前に、必ず写真を撮ってください

今回、最もお伝えしたいことです。

濡れた家具や家電を捨てたり、床や壁を清掃したりする前に、被害状況を写真や動画で記録してください。

名古屋市も、被災した建物について、片付け・修繕・取り壊しをする前に建物の外と中の写真を撮影して保存するよう案内しています。

写真は火災保険などの保険金請求だけではなく、自治体による建物被害認定調査などでも重要な資料になる可能性があります。

建物の外で撮っておきたい写真

  • 建物全体をできれば4方向から撮影
  • 浸水した位置
  • 外壁などの被害箇所
  • 泥や水が入った跡
  • どの高さまで水が来たのか

浸水した高さについては、メジャーなどを一緒に写しておくと分かりやすくなります。

建物の中で撮っておきたい写真

  • 各部屋の全体
  • 建具
  • 家具
  • 家電製品
  • その他被害を受けたもの

被害箇所だけをアップで撮るのではなく、「どの部屋の、どの部分が被害を受けたのか」が分かる写真も残しておきましょう。

スマートフォンで構いません。

判断に迷ったら、捨てたり清掃したりする前に撮影しておくことをおすすめします。

火災保険に加入している方は「水災補償」を確認してください

「火事ではないのに火災保険が使えるの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

火災保険には、契約内容によって水災による損害を補償するものがあります。

例えば、

  • 大雨による洪水
  • 河川の氾濫
  • 大雨による浸水
  • 土砂崩れ

などです。

ただし、火災保険に加入しているからといって、すべての水害が補償されるわけではありません。

契約によっては水災補償を付けていない場合があります。

また、水災補償が付いていても、保険商品、契約時期、契約条件などによって、保険金の支払条件や自己負担額などが異なります。

そのため、

「床上まで来ていないから対象外だろう」

「昔入った火災保険だから多分出ないだろう」

などと、自分だけで判断しないことをおすすめします。

まず保険証券や契約内容を確認し、分からなければ加入している保険会社または保険代理店へ連絡してください。

建物だけではなく「家財」の補償も確認してください

ここは見落とされやすいところです。

火災保険では、「建物」と「家財」は別々の保険対象です。

建物に水災補償があっても、家財を保険の対象として契約していなければ、家具や家電などが補償されない場合があります。

一方、家財についても水災が補償される契約であれば、

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • テレビ
  • パソコン
  • 家具
  • 衣類

などの被害が補償対象となる可能性があります。

こちらも捨てる前に、被害状況が分かる写真を残してください。

可能であれば、メーカー名や型番などが確認できる写真も撮影しておくと、その後の手続きがしやすくなります。

車が浸水した場合は自動車保険も確認してください

今回のような大雨では、道路冠水によって車が浸水することもあります。

自動車保険に車両保険を付けている場合、洪水などによる浸水被害が補償対象になることがあります。

ただし、契約内容によって補償の有無は異なります。

車が水に浸かった場合は、無理にエンジンを始動させず、加入している保険会社やロードサービスなどへ連絡してください。

車についても、安全な範囲で、

  • 車全体
  • 浸水した高さ
  • 車内の状況
  • 周辺の冠水状況

などを撮影しておきましょう。

「罹災証明書がないと保険金請求できない」は原則として違います

ここは混同しやすいところです。

名古屋市では、自然災害で住家に被害を受けた場合、申請に基づいて「罹災証明書」を交付しています。

罹災証明書は、建物被害認定調査等を行い、住家の被害の程度を証明するものです。

公的な被災者支援などを受ける際に必要になる場合があります。

一方、損害保険の保険金請求について、日本損害保険協会は、地方自治体から交付される罹災証明書の提出は原則不要と案内しています。

つまり、

「罹災証明書が発行されるまで保険会社へ連絡できない」

ということではありません。

保険会社や保険代理店には先に事故の連絡をして構いません。

名古屋市では被害対象によって証明書が異なります

名古屋市が交付する主な被災証明
証明書 主な対象 内容
罹災証明書 住家 建物被害認定調査等を行い、被害の程度を証明
被災証明書 非住家 建物被害認定調査等を行い、被害の程度を証明
被災届出証明書 車・カーポート・家財など 被害が生じた旨の届出があったことを証明

保険会社へ連絡するときに準備しておきたいもの

すべてが揃っていなくても、まず事故連絡をすることはできます。

  • 契約者名
  • 保険証券番号
  • 被害が発生した住所
  • 被害が発生した日時
  • どこまで浸水したのか
  • 建物の被害状況
  • 家財の被害状況
  • 被害状況の写真や動画

などを整理しておくと、その後の手続きが進めやすくなります。

修理が必要な場合には、見積書などの提出を求められることもあります。

必要な書類については、加入している保険会社の案内に従ってください。

主な損害保険会社の事故受付窓口

加入している損害保険会社が分かる方は、保険会社または加入した保険代理店へ事故の連絡をしてください。

大規模な自然災害の直後は電話が混み合うことがあります。

各保険会社ではインターネットによる事故受付も行っていますので、電話がつながりにくい場合は各社公式サイトからの事故受付も検討してください。

以下は2026年9月9日時点で確認した主な事故受付窓口です。
電話番号や受付方法が変更される場合がありますので、最新情報は各保険会社公式サイトでもご確認ください。
保険会社 火災・水災等の事故受付 受付
東京海上日動火災保険 0120-119-110 24時間365日
損害保険ジャパン 0120-727-110 24時間365日
三井住友海上火災保険 0120-258-189 24時間365日
あいおいニッセイ同和損害保険 0120-985-024 24時間365日
AIG損害保険 0800-919-4103
保険種類が分からない場合:0120-01-9016
24時間・年中無休
セコム損害保険 0120-210-545 24時間365日
日新火災海上保険 0120-232-233 24時間365日
共栄火災海上保険 0120-044-077 24時間365日

車が浸水した場合の主な自動車保険事故受付

保険会社 自動車事故受付
東京海上日動 0120-119-110
三井住友海上 0120-258-365
あいおいニッセイ同和損保 0120-024-024
AIG損保 0800-919-4102
日新火災 0120-25-7474
共栄火災 0120-044-787

保険会社が分からない場合

「火災保険に入っているはずだけれど、どこの保険会社か分からない」という方もいらっしゃると思います。

その場合は、

  • 保険証券
  • 保険会社から届いた更新案内
  • 保険会社から届いたメール
  • クレジットカードや銀行口座の引き落とし履歴
  • 住宅購入時の書類
  • 住宅ローン契約時の書類

などを確認してみてください。

保険代理店を通じて加入している場合は、加入した代理店へ問い合わせることで契約内容を確認できる場合があります。

「どうせ保険は出ないだろう」と自己判断しないでください。

水災の支払条件は契約によって異なります。被害が小さいと思っても、まず契約内容を確認してください。

急いで修理業者や保険金請求代行業者と契約しないでください

大規模な自然災害が発生すると、

「火災保険を使えば無料で修理できます」

「保険金請求を代行します」

などと勧誘する業者が現れることがあります。

日本損害保険協会も、住宅修理業者や保険金請求代行業者とのトラブルについて注意を呼びかけています。

保険金が支払われるかどうかを最終的に判断するのは修理業者ではありません。

高額な成功報酬や解約金などを請求されるケースもあります。

その場ですぐに契約せず、まず加入している損害保険会社または保険代理店へ相談してください。

被害に遭ったら、この順番で進めてください

① 自分と家族の安全を確保する

② 片付ける前に被害状況を写真・動画で残す

③ 火災保険・家財・自動車保険の契約内容を確認する

④ 保険会社または保険代理店へ事故連絡する

⑤ 必要に応じて名古屋市へ罹災証明書等を申請する

⑥ 保険会社と確認しながら修理・復旧を進める

被災した直後は、やることが一気に増えます。

すべてを今日中に終わらせる必要はありません。

ただし、片付ける前の写真だけは、できるだけ早く残してください。

「うちは保険の対象になるのか分からない」という方へ

今回のような大雨では、

  • この程度の浸水でも保険は使えるのか
  • 床下浸水でも対象になるのか
  • 家財まで補償されるのか
  • 昔入った火災保険なので内容が分からない

という疑問を持たれる方も多いと思います。

水災の補償条件は、加入している火災保険の商品、契約時期、契約内容などによって異なります。

そのため、インターネット上の一般的な情報だけで、

「保険金が出る」

「保険金は出ない」

と判断することはできません。

まずは保険証券や契約内容を確認し、不明な場合は加入している保険会社または保険代理店へ問い合わせてください。

まとめ

今回のような突然の豪雨による浸水では、被災した直後に何をすればよいのか分からなくなることがあります。

しかし、手続きの順番を整理すると、最初に行うべきことはそれほど複雑ではありません。

安全を確保する。

片付ける前に写真を撮る。

加入している保険を確認する。

保険会社または保険代理店へ事故連絡をする。

この順番を意識してください。

特に、被害状況の写真は後から撮り直すことができません。

清掃、修理、廃棄をする前に、少し多いと思うくらい写真や動画を残しておくことをおすすめします。

今回被害に遭われた皆様が、一日も早く日常の生活を取り戻されることを願っております。

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この記事を書いた人・編集監修

Hajime Maeda。AFP。保険、資産形成、退職金、老後資金、相続、教育費など、家計全体に関する相談業務に20年以上従事。制度や商品の一般論だけで結論を出すのではなく、相談者の家計、働き方、家族構成を踏まえ、判断に必要な情報を整理することを重視している。

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