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選択制確定拠出年金導入で 社内説明が9割を占める理由

2026.01.14

選択制確定拠出年金(選択制DC)の導入を検討する際、
多くの経営者が最初に力を入れるのは「制度設計」です。

掛金はいくらにするか。
どの運営管理機関を使うか。
コストはどの程度か。

もちろん、どれも重要です。

ただ、実務の現場で何十社も見てきて断言できることがあります。

選択制DCの成否は、制度設計よりも「社内説明と合意形成」で9割決まります。

なぜ制度設計より「説明」が重要なのか

選択制DCは、一般的な福利厚生制度とは性質が違います。

なぜなら、

  • 給与の一部の扱いが変わる
  • 社会保険料に影響する
  • 将来の年金・保障にも関係する

という、従業員の生活に直結する要素を含む制度だからです。

ここをきちんと説明しないまま導入すると、
制度そのものよりも「会社の姿勢」が疑われます。

社内トラブルは「制度」ではなく「説明不足」から起きる

ここからは、実際によくある社内トラブルを
匿名・一般化した形で紹介します。

ケース①「そんな話、聞いていない」問題

制度導入後、しばらくしてから出てくるのがこの声です。

「給料が減っている気がするんですが、聞いていましたか?」

制度上は説明済みでも、

  • 専門用語が多すぎた
  • 一度の説明会で終わっていた
  • 個別の状況に触れていなかった

この状態だと、従業員の認識には残りません。

結果として、制度への不満が「会社への不信」に変わります。

ケース②「得な人・損な人がいるのは不公平」問題

選択制DCは、従業員ごとに評価が分かれる制度です。

  • 積極的に活用する人
  • 不安で選択しない人

この差を前提として説明していないと、必ずこう言われます。

「結局、会社は得する人だけを優遇しているのでは?」

これは制度の欠陥ではなく、
「差が出る制度」であることを最初に伝えていないことが原因です。

この論点は、従業員視点の記事でも詳しく解説しています。

ケース③「会社が節税したかっただけでは?」という疑念

説明の中で、

  • 社会保険料が下がる
  • 会社負担が軽くなる

この話だけが強調されると、
従業員はこう受け取ります。

「結局、会社の都合でしょ?」

選択制DCは「節税制度」ではありません。
ここを履き違えると、制度は一気に疑われます。

この誤解については、以下の記事で整理しています。

説明会で「必ずやるべき」3つのこと

選択制DCの説明会では、
制度の細かい仕組みよりも、次の3点を優先すべきです。

① なぜこの制度を導入するのか(会社の考え)

制度の説明より先に、
「会社として何を考えているのか」を伝える必要があります。

ここがないと、すべての説明が
「後付けの理屈」に見えます。

② 全員に同じ結果は出ないこと

選択制DCは、やる・やらないを選ぶ制度です。

つまり、

  • 得に感じる人もいれば
  • 不安を感じる人もいる

この前提を、最初から明確に伝えることが重要です。

③ 導入後も説明は続くこと

説明会はゴールではありません。

入社、結婚、出産、退職。
ライフステージが変わるたびに、説明は必要になります。

「あとから聞ける場所がある」ことを示すだけで、
従業員の安心感は大きく変わります。

丸投げ業者との決定的な違い

選択制DCの導入支援をうたう業者の中には、

  • 制度設計だけを行い
  • 説明会を一度やって終わり

というケースも少なくありません。

しかし実務では、

「説明できる人が社内に残らない制度」は、ほぼ確実に形骸化します。

導入支援で本当に必要なのは、

  • 社内でどう説明するか
  • どう合意形成するか
  • 導入後にどう支えるか

ここまで含めた設計です。

次の記事では「導入後に起きる現実」を扱います

説明を丁寧にしても、
導入後に必ず出てくる問題があります。

それが、

「従業員が何もしない問題」です。

次回は、選択制DC導入後に起きやすいこの問題を、
現実的な対処ラインとともに整理します。

法人向け|導入サポート・社内説明設計のご相談

選択制確定拠出年金は、制度設計よりも「説明と合意形成」が結果を左右します。
導入前の説明設計、説明会支援、導入後フォローまで含めてご相談いただけます。


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