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従業員20名以下の会社が 選択制確定拠出年金を導入する前に必ず確認すべき3条件

2026.01.11

選択制確定拠出年金(選択制DC)は、「中小企業にも使いやすい制度」と紹介されることが多い制度です。

確かに、制度そのものは中小企業でも導入できます。
ただし、ここには重要な落とし穴があります。

「導入できる」と「運用し続けられる」は別という点です。

特に、従業員20名以下の会社では、この差がそのまま制度の成否になります。

中小企業ほど「制度の影響」がダイレクトに出る

大企業と違い、中小企業では、

  • 一人ひとりの不満が目立ちやすい
  • 管理部門のリソースが限られている
  • 制度変更が“会社の姿勢”として受け取られやすい

このため、選択制DCのメリット・デメリットが増幅されやすいのが現実です。

導入前に必ず確認すべき3条件

条件①|給与設計・賞与設計が整理されているか

選択制DCは、「給与の一部をどう扱うか」という制度です。

つまり、

  • 基本給の位置づけ
  • 賞与との関係
  • 昇給・評価制度

これらが曖昧なまま導入すると、従業員はこう感じます。

「給料の仕組みが、前より分かりにくくなった」

特に中小企業では、「社長の裁量=給与」という認識が強い場合も多く、制度導入が不信感の引き金になることがあります。

条件②|従業員に“選ばせる覚悟”があるか

選択制DCは、名前の通り選択制です。

  • やる人
  • やらない人

どちらもいて当然です。

しかし実務では、

  • 全員にやってほしい
  • 事実上、空気で誘導したい

という雰囲気が出てしまうことがあります。

この瞬間、制度は従業員にとって「会社都合の仕組み」に見え始めます。

従業員20名以下の会社ほど、この空気は一気に広がります。

条件③|導入後の説明・フォローを想定しているか

中小企業で最も見落とされがちなのが、ここです。

  • 導入時の説明はする
  • しかし、その後は特に何もしない

この状態になると、数年後に必ずこう言われます。

「結局、よく分からない制度だった」

選択制DCは、

  • 新入社員が入る
  • ライフステージが変わる
  • 社会保険制度が変わる

たびに、説明が必要になる制度です。

それを誰が、どう担うのか。
ここを決めていないと、制度は形骸化します。

関連記事:判断精度を上げるために

中小企業にとっての結論

従業員20名以下の会社にとって、選択制確定拠出年金は、

  • 人材定着の武器にもなり
  • 信頼を損なう原因にもなる

両刃の制度です。

だからこそ、

「制度として入れられるか」ではなく、「会社として背負えるか」

この視点で判断する必要があります。

次の記事では、経営者視点をさらに掘り下げます

次回は、「選択制DCを福利厚生ではなく、人件費設計として考える視点」について整理します。
制度を“続けられる会社”の共通点が見えてきます。

法人向け制度設計のご相談について

選択制確定拠出年金は、中小企業ほど導入前の設計が重要です。

自社に本当に合うのか、従業員にどう伝えるべきか、将来負担にならないか。
その整理からご相談いただけます。

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