ブログ
BLOG
選択制確定拠出年金(選択制DC)の説明で、必ずと言っていいほど出てくる言葉があります。
「社会保険料が下がるなら、得ですよね?」
一見するともっともな疑問です。
しかしこの問いには、重要な前提の抜けがあります。
結論から言います。
社会保険料が下がること=必ず得、ではありません。
選択制DCによって社会保険料が下がる理由は、仕組みとして明確です。
このため、
という“目に見える変化”が起きます。
ここだけを切り取れば、確かに魅力的です。
ここで一度、立ち止まって考える必要があります。
社会保険料は、単なる税金ではありません。
支払っているのは、
これらを支える保険料です。
つまり、
下がる=保障の計算基礎も下がる
この事実を無視してはいけません。
社会保険料が下がる影響は、老後の年金額だけにとどまりません。
これらはすべて、標準報酬月額をベースに計算されます。
つまり、目先の手取りが増える一方で、「いざというときの給付水準」も下がる可能性がある。
ここで、選択制DCで後から違和感を覚えやすい人の共通点が見えてきます。
今いくら増えるか、今月の負担がどう変わるか。
この視点だけで制度を評価すると、将来とのバランスを見誤りやすくなります。
社会保険料を「できれば払いたくないもの」「下げられるなら下げたいもの」としか捉えていないケースです。
その結果、保障とのトレードオフを見落とします。
病気にならない前提、働けなくなることは考えない、家族に何かあっても何とかなる。
人は誰でも、不都合な将来を過小評価しがちです。
しかし、社会保険は「何かあったときのため」に存在する制度です。
ここで誤解してほしくないのは、「だから選択制DCは悪い制度だ」と言いたいわけではないということです。
重要なのは、
社会保険料が下がることの意味を理解したうえで、選択しているかどうか
理解して選ぶなら、それは合理的な判断です。
理解しないまま「得だから」「みんなやっているから」で選ぶと、後から違和感が残る。
上記を先に読むことで、選択制DCの全体像が立体的に見えてきます。
経営側が持つべき視点は、「社会保険料が下がるかどうか」ではありません。
この視点が欠けると、制度は静かに信頼を失っていきます。
次回は、「なぜ“全員一律”の制度設計が危険なのか」というテーマで、経営側の設計視点を掘り下げます。
選択制DCを「続く制度」にできるかどうかの分岐点です。
法人向け制度設計のご相談について
選択制確定拠出年金は、社会保険・年金・従業員の価値観が絡み合う非常に繊細な制度です。
「得か損か」ではなく、「自社・自社の従業員にとって成立するか」その整理からご相談いただけます。
※内部リンクのURL(②・③のスラッグ部分)は、公開URLに合わせて差し替えてください。例:/column/sentakusei-dc-keigai/ など
個別相談ご希望の方は
こちらからお問い合わせください。