年末調整で戻るお金を賢く運用！iDeCoとNISAの使い分け完全ガイド【2027年改正対応】

はじめに

年末調整で戻ってくる「還付金」。50〜60代の方にとってはちょっとした臨時収入ですが、老後資産づくりに回せば将来の安心に大きくつながります。しかも、2027年1月からiDeCo制度が拡充され、掛金の上限や加入年齢が変わります。ここでは現行制度と2027年以降の違いを整理し、NISAとの使い分けを解説します。

1｜年末調整の還付金、平均はいくら？

• 年収500万円：2〜5万円
• 年収600万円：3〜7万円
• 年収800万円：5〜10万円

生命保険料控除・地震保険料控除・住宅ローン控除などを活用する50〜60代は、比較的多めに戻る傾向があります。

2｜iDeCoとNISAの基本的な違い

iDeCo（個人型確定拠出年金）

メリット

• 掛金が全額所得控除
• 運用益が非課税
• 受取時も退職所得控除・公的年金等控除で節税可能

注意点

• 原則60歳まで引き出し不可
• 受取時に課税の可能性
• 口座管理手数料がかかる

NISA（少額投資非課税制度）

つみたて投資枠

• 年間上限：120万円
• 非課税期間：無期限
• 対象：金融庁が指定する投資信託・ETF

成長投資枠

• 年間上限：240万円
• 生涯投資枠：1,800万円（うち成長投資枠は1,200万円）
• 株式・ETF・投資信託など幅広く投資可能

3｜2027年からiDeCoはどう変わる？（現行との比較）

区分	現行（〜2026年）	2027年1月以降	ポイント
会社員（企業年金なし）	月2.3万円（年27.6万円）	月6.2万円（年74.4万円）	掛金が大幅に拡大
会社員（企業年金あり）	iDeCo単体 月2万円（合算上限5.5万円）	iDeCo＋企業年金で月6.2万円まで	合算上限が一律化
自営業者（国民年金基金と合算）	月6.8万円（年81.6万円）	月7.5万円（年90万円）	上限がやや拡大
専業主婦・主夫（第3号被保険者）	月2.3万円（年27.6万円）	据え置き（月2.3万円）	変更なし
加入可能年齢	原則60歳未満（一部65歳未満）	一律70歳未満まで	長く拠出できる

ポイント：特に会社員は「月2.3万円 → 月6.2万円」へ拡充。60代前半でも活用できる期間が延びます。

4｜50〜60代におすすめの使い分け戦略

今から2026年まで

• iDeCo：現行の上限（最大月2.3万円）をフル活用
• NISA：余剰資金で流動性と分散を確保

2027年以降

• 会社員（企業年金なし）：月6.2万円まで拠出。還付金＋余剰資金を積極投入
• 会社員（企業年金あり）：企業年金と合算で月6.2万円まで
• 60代前半：加入は70歳未満まで可能。退職金・年金と組み合わせ最適化

5｜還付金の活かし方（具体例）

• 還付金3万円： iDeCoへ全額 → 翌年の節税 約6,000円（税率20%想定）
• 還付金7万円： iDeCo 4万円＋NISA 3万円 → 節税＋長期非課税運用
• 還付金10万円以上： 2027年以降は iDeCo上限（例：6万円）＋ 残りをNISA → 税制メリットと運用の両立

6｜年代別の注意点

• 50代前半： 運用期間10年以上。iDeCo積極活用＋NISA併用。
• 50代後半： iDeCoはリスク控えめの商品を選択。NISA比重を高め柔軟性確保。
• 60代： 2027年以降は70歳未満まで加入可能。退職金や年金と合わせて計画。

7｜まとめ｜「現行」と「2027年以降」でこう変わる

1. 現行（〜2026年）： 会社員のiDeCo上限は月2.3万円、加入は概ね60歳未満まで。
2. 2027年以降： 上限は月6.2万円に拡大、加入は一律70歳未満まで。
3. NISA： 無期限非課税は継続。流動性を確保しつつ分散投資に活用。

※本記事は2025年9月時点の情報をもとに執筆。制度改正は2027年1月適用予定。投資は元本割れのリスクがあります。具体的な判断は最新情報を確認のうえご自身で行ってください。