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「投資信託って結局どうなの?」―ネット証券で買う前に“本当に大事なこと”を知る

2025.05.16

こんにちは。フィナンシャル・デザインオフィスMAEDAの前田です。

最近、「投資信託ってよく聞くけど、何から始めたらいいのか分からなくて…」というご相談が増えています。特に、退職金の受取や相続資金の管理が頭をよぎり始める50代後半~60代前半のご夫婦から、名古屋の面談でそうした声をいただくことが多くなりました。

ネット証券の口座開設はワンクリックでできますが、「買う前に、そもそもこれは自分たちに合っているのか?」を確認しないまま始めてしまう方も少なくありません。

ここでは、ネットや営業マンのセールストークでは分かりづらい「投資信託の本質」と「判断するうえで大事な視点」を、実務ベースでお伝えします。

1. 「投資信託」とは?簡単に言えば“お金を預けてプロに託す仕組み”

投資信託とは、複数の投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用のプロが株や債券に分散して投資してくれる金融商品です。

イメージとしては、「みんなでお金を出し合って、プロに任せて成果を山分けする」といった感覚です。

最近では、S&P500に連動するインデックス型のファンドが人気で、年率10%以上の実績もありますが、「だからといって自分にも合う」とは限りません。
運用は長期戦。何より、自分の“人生設計”に合っているかを確認することが最優先です。

2. リターンだけ見ても意味がない。大事なのは“下がる時”への備え

たとえば、アクティブ型ファンドで年7%の利回りが出たとしても、それは「平均」の話。運用中は、上がったり下がったりを繰り返します。

10年間で1000万円が1700万円になる可能性もあれば、途中で▲20%下がって不安に耐えられず売ってしまった…なんて話もよくあります。

私は面談の中で、単に「いくら増えるか」ではなく「この金額が20%下がったとき、どう感じますか?」と必ず聞きます。
なぜなら、数字の損失よりも、“気持ちの揺らぎ”で失敗してしまう方が多いからです。

3. 手数料と“見えにくいコスト”にも注意

投資信託には、表面に出ている「購入時手数料」「信託報酬(運用手数料)」のほかに、運用の中で発生する“隠れコスト”もあります。

たとえば、信託報酬が年1%でも、1000万円の投資で10年保有すれば手数料だけで100万円以上に。
運用がうまくいっても、コストで目減りすることもあります。

私たちは「このファンドがいいですよ」と勧めるのではなく、「それを10年持って、最終的にどうなるか?」を一緒に計算し、必要であれば運用先を分けて設計するようにしています。

名古屋という“暮らし”の中で考える資産設計

たとえば、名古屋でご夫婦2人暮らしなら、生活費は月25万円前後が現実的なライン。中心部は物価が高めなので、年金だけでは少し心もとないと感じる方も多いです。

こうした“地域のリアル”を知ったうえで、金融商品を選ぶ視点が欠かせません。
ネット上には「平均利回り○%!」という情報が溢れていますが、大事なのは「あなたにとって、それが本当に必要か?」という問いです。

相談に来られた方の一例

以前、60歳を迎えたばかりの方が「リスクが怖くて始められない」とご相談に来られました。

その場では、「どんな時に不安を感じますか?」「これまでにお金のことで後悔したことはありますか?」という問いから始めて、最終的にはその方にとって無理のない設計をご提案。
「これなら続けられる気がします」と、少しホッとした表情で帰られたのが印象的でした。

おわりに|“自分に合った投資”を、誰かと一緒に考えるという選択

投資信託は、知れば知るほど「選ぶこと」より「どう持つか」「どう向き合うか」が大事だと分かってきます。

ネット証券や比較サイトだけでは伝わらない、あなた自身にとっての“正しい選択”を、一緒にじっくり考えてみませんか?

大切なのは「どれが一番儲かるか」ではなく、「これなら安心して持てる」と自分が納得できるかどうか。そのために、私たちはそっと寄り添う立場でいたいと考えています。

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