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秋分の日:人生の後半戦、資産運用の方針転換タイミング

2025.09.23

秋分の日:人生の後半戦、資産運用の方針転換タイミング

秋分の日。昼と夜の長さが等しくなるこの日は、自然界の大きな転換点を象徴しています。
人生においても、50代を迎える頃から「後半戦」という新たなステージが始まります。
「まだ20年ある」と思う方もいれば、「あと10年しかない」と感じる方もいます。
いずれにせよ、この時期は資産運用の方針を見直す絶好のタイミングです。

1|なぜ人生の後半戦で方針転換が必要なのか

時間軸の変化

例えば53歳のご相談者Aさん。これまでは「株式中心で積立」を続けてきましたが、定年まで残り12年と考えると「今のままではリスクが大きすぎるのでは」と不安に。40代までは時間が味方でしたが、50代以降は「守り」にシフトする発想が欠かせません。

リスク許容度の変化

若い頃は一時的に資産が減っても「また働いて取り戻せばいい」と考えられました。ですが、退職が見えてくるとそうはいきません。実際、57歳のBさんはコロナショック時に評価額が30%下がり、「もう働いてカバーできない」と痛感。そこから方針を大きく変えました。

目的の明確化

「将来のため」という曖昧な目標から、「毎月の生活費にいくら必要か」「医療費や介護費用をどう備えるか」「子や孫にどれだけ残すか」といった具体的なゴールが見えてくる時期です。

2|後半戦の資産運用戦略

ポートフォリオのリバランス

例えば、50代前半までは株式比率が7割でも問題ありませんでした。
しかし定年を見据える時期に入れば、以下のようにリバランスすることで安心感が増します。

前半戦 後半戦への転換例
株式:70〜80%
債券:20〜30%
株式:50〜60%
債券:30〜40%
REIT・インフラファンド:5〜10%
現金:5〜10%

投資スタイルの変更

  • 成長株よりも配当株やREITで毎年の収入を確保
  • 海外資産中心から、徐々に国内資産比率を高める
  • 為替リスクに備え、通貨ヘッジ付き商品も活用

新たな投資手法の導入

階段式投資法:退職までの10年を3段階に分け、安全資産を徐々に増やす
バケット戦略:生活費・医療費・将来の相続資金を「用途別」に分けて準備

3|実際の転換アクション例

Phase 1:50〜52歳

実際に52歳のCさんは、まず現在の資産状況を「見える化」するところから始めました。
住宅ローン残高、退職金の見込み、毎月必要な生活費を整理すると、「あといくら積み上げるべきか」がはっきりしました。

Phase 2:52〜57歳

この時期は「移行期間」です。高リスク資産を少しずつ減らし、安定収益資産に切り替えていきます。
例えば、Cさんは含み益が出ていた株式を毎年少しずつ売却し、その資金を配当株や国内債券にシフト。税金の負担を分散しながら移行できました。

Phase 3:57〜60歳

退職金をどう運用するかが大きなテーマ。
「一括投資」よりも「分割投資」でリスクを抑えるのが現実的です。
また、年金の受け取り方や相続の準備もこの時期に検討しておくと安心です。

4|注意すべきポイント

  • 安全志向に偏りすぎない:預金だけではインフレに負けてしまいます。
  • 一気に変えない:2〜3年かけて段階的に移行することが重要。
  • 税金を軽視しない:売却益の課税や退職所得控除の活用を忘れずに。

まとめ

秋分の日が自然界の調和を象徴するように、人生の後半戦の資産運用も「攻めと守りのバランス」が大切です。
「自分の場合はどうだろう?」と少しでも気になったら、その時点が見直しのタイミング。
個別の状況によって最適な答えは変わりますので、ぜひ一度、具体的な数字をもとにシミュレーションしてみてください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としています。実際のご判断は個別相談でご相談ください。

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