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住宅ローン変動金利「5年ルール」を5分で理解!50代からのリスク対策ガイド

2025.08.26

住宅ローン変動金利「5年ルール」を5分で理解!50代からのリスク対策ガイド

「あと10年で定年、ローンは残っているけど大丈夫だろうか?」
そんな不安を抱える50歳前後の方にとって、住宅ローンの「5年ルール」は決して他人事ではありません。

「5年ルール」とは、変動金利が上昇しても5年間は毎月の返済額が変わらない仕組みのこと。聞くと安心に思えますが、実は落とし穴もあります。ここでは数字を交えて具体的に解説します。

1|5年ルールの基本的な仕組み

普通の変動金利では、金利が上がればすぐに返済額も増えます。一方で「5年ルール」があると、金利が上がっても5年間は月々の返済額が変わりません

例:借入額3,000万円・35年ローンの場合

  • 金利0.5% → 月々約78,000円
  • 金利1.5% → 月々約92,000円
  • 金利2.5% → 月々約107,000円

数字で見ると「金利が上がると返済額が大きく増える」ことがわかります。
ただし5年ルールが適用されると、金利が上がっても最初の5年間は78,000円のまま据え置きになるのです。

2|数字で理解する「元本が減らない」リスク

借入3,000万円・35年、当初金利0.5%・月々78,000円と仮定。3年目に金利が1.5%に上昇した場合、返済額は変わらないままですが内訳はこうなります。

  • 【当初】元本返済 38,000円/利息 40,000円
  • 【上昇後】元本返済 28,000円/利息 50,000円

→ 支払金額は同じでも、元本がなかなか減らなくなるのがリスクです。

6年目にルールが解除されると、返済額は約95,000円(+17,000円)に跳ね上がります。

3|「未払い利息」が発生するケース

さらに金利が大きく上がると「未払い利息」という厄介な問題が登場します。

たとえば金利が3.0%に上がった場合、月の利息はおおよそ75,000円。返済額78,000円のほとんどが利息で消え、元本は数千円しか減らないことになります。

元記事では「利息9万円・不足12,000円」とされていましたが、これは誤り。実際は利息でほぼ使い切る形で、未払い利息がすぐ発生するわけではありません。
ただし、これ以上金利が上がれば未払い利息が現実化する危険性があります。

4|「125%ルール」との組み合わせ

5年ルールには「125%ルール」もセットで存在します。これは返済額の改定後増加は最大1.25倍までという制限です。

  • 従来返済額:78,000円
  • 上限:97,500円(=78,000円×1.25)

急に15万円へ跳ね上がることはない反面、借入条件によっては上限を超える利息が「未払い利息」として積み残されてしまいます。

5|家計への具体的影響シミュレーション

田中さん夫婦(仮名)のケース:

  • 夫婦合算年収:600万円
  • 借入額:3,500万円
  • 当初金利:0.4%
  • 当初返済:月約88,000円

この場合の返済比率は年収の約18%。決して高すぎる水準ではありません。

しかし、3年後に金利が2.0%に上昇すると…

  • 6年目以降:月115,000円(+27,000円)
  • 年間負担増:約32万円
  • 返済比率:約23%

6|賢く付き合うための対策

  • 金利上昇に備えた貯蓄:ボーナス時の繰上返済も検討
  • 定期的な見直し:金利動向を年2回はチェック、固定金利や借り換えも視野に
  • 家計調整:昇給・副業など収入面も含め余裕をつくる

7|まとめ:定年前後で特に注意

5年ルールは一時的に家計を守ってくれる仕組みですが、根本的な負担を軽くするものではありません。定年まで10年を切る世代にとっては、6年目以降の返済額増加が老後資金づくりに直撃します。

覚えておきたいポイント

  • 5年間は返済額が変わらないが、その間元本が減りにくい
  • 6年目以降に返済額が急増する可能性
  • 高金利局面では未払い利息リスクが現実化
  • 貯蓄・繰上返済・借換えを検討することが安心につながる

住宅ローンは長い戦いです。
「うちの場合はどうすればよい?」と迷ったら、一度シミュレーションを行い、自分の家計と照らし合わせて戦略を立てましょう。

個別の状況で最適解は変わります。年齢・残期間・金利タイプ・繰上返済余力を踏まえてご提案します。

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