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9月は投資信託の決算ラッシュ!分配金の受け取り方で税負担が変わる理由

2025.08.29

9月は投資信託の決算ラッシュ!分配金の受け取り方で税負担が変わる理由

9月は多くの投資信託が決算を迎える「決算ラッシュ」の時期です。この時期、保有しているファンドから分配金が支払われることで、「ようやく利益が還元された」と実感する方も多いのではないでしょうか。

しかし、「分配金は現金で受け取るべき? それとも再投資すべき?」「税金はどれくらい引かれるの?」といった疑問をお持ちの方は少なくありません。実は、分配金の受け取り方ひとつで、税負担や長期的な資産形成効果に大きな差が生まれます。

特に50~60代で老後資金の準備を本格的に進める方にとっては、分配金の仕組みを正しく理解し、自分に合った選択をすることが、資産の「質」を高める鍵となります。

今回は、インデックスファンド一辺倒の話ではなく、分配金を通じた「資産の育て方・使い方」に焦点を当て、アクティブファンドの強みも活かした実践的な戦略をお伝えします。

2|投資信託の分配金とは

分配金とは、投資信託が運用で得た利益の一部を投資家に還元する仕組みです。決算ごとに分配され、保有口数に応じて金額が決まります。

この分配金は単なる「利益の取り崩し」ではなく、運用成果の一部を定期的に取り出す収益の実現という意味合いもあります。

  • 年1回:主にインデックスファンドや成長重視型
  • 年2回:一般的な株式ファンド
  • 年4回:バランス型
  • 年6回:奇数月分配型
  • 年12回:毎月分配型

アクティブファンドは、市場の変化に応じて分配方針を柔軟に調整できる点が特徴です。運用判断に基づいた「戦略的分配」を行うケースもあります。

2|「普通分配金」と「元本払戻金」の違い

普通分配金:運用益から支払われる分配金で、課税対象。

元本払戻金(特別分配金):基準価額が個別元本を下回る場合、元本返還扱いとなり非課税

例:
個別元本:10,000円
分配金:300円
分配後基準価額:9,800円
→ 元本払戻金200円(非課税)、普通分配金100円(課税対象)

2|分配金にかかる税金

分配金(普通分配金)には20.315%の税率(所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収されます。
国内株式比率が高いファンドでは、確定申告で配当控除を受け、実質税率を下げられる場合もあります。

2|分配金の受け取り方の選択肢

① 分配金受取コース

  • メリット:定期収入、生活費補填に活用可能
  • デメリット:複利効果なし、都度課税

② 分配金再投資コース

  • メリット:複利で資産成長、手数料ゼロ
  • デメリット:現金収入なし、再投資分も課税

2|年代別おすすめ戦略

50代

推奨:再投資コース
理由:老後まで時間があり、複利効果を最大化。
→ 成長性のあるアクティブファンドも積極的に活用。

60代前半

推奨:商品ごとに使い分け
理由:資産形成と収入確保を両立。
→ 高配当株式ファンドで受取、成長ファンドで再投資。

60代後半以降

推奨:受取コース中心
理由:生活費補填が優先。
→ 高配当株式・債券ファンドを活用。

2|9月決算時のチェックポイント

  • 分配方針を確認(普通分配か元本払戻か)
  • 基準価額と個別元本の比較
  • 税負担の試算

2|シミュレーション(10年後の差)

選択肢 投資信託評価額 受取分配金(税引後) 総資産
受取コース 約580万円 約120万円 約700万円
再投資コース 約750万円 0円 約750万円

2|まとめ

9月の決算シーズンは、単に分配金を受け取るだけの時期ではなく、資産戦略を見直す絶好のチャンスです。

  • 50代:再投資で資産を育てる
  • 60代前半:商品ごとに使い分け
  • 60代後半:受取で生活を安定

アクティブファンドは分配方針を柔軟に調整できる強みがあり、インデックスだけでは得られない戦略的活用が可能です。NISAや税制優遇も活用し、あなたに合った「分配戦略」を立てていきましょう。

この記事は2025年8月時点の情報に基づいています。税制や商品内容は変更の可能性があるため、最新情報をご確認のうえ、必要に応じて金融機関や税理士にご相談ください。

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