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ある日、私あてにお客様からLINEが届きました。
「うちの親が、銀行で何か勧められているようで…
よくわからないまま進めそうなんです。
娘の立場ではあまり強く言えず、でも心配で…。
こんな相談なのですが、一度見ていただけませんか?」
ご両親が銀行から案内された退職金活用プランに乗り気で、「得な話らしい」と話しているものの、
提案内容の詳細が見えてこないことに不安を感じているご様子でした。
お父さまの口座に約3,000万円の退職金が振り込まれて間もない頃、銀行から電話がありました。
「退職金の運用について、特別なご提案をさせていただきます」との案内。
長年お付き合いのある金融機関からの連絡。警戒心はなく、「せっかくだから話を聞いてみよう」と、お母さまと一緒に店舗へ向かわれたそうです。
銀行で紹介されたのは「退職金専用定期預金キャンペーン」。
具体的には以下のような内容でした。
加えて、「資産全体を効率よく運用するために」と投資信託の提案も受けていたとのこと。
お父さまは「金利が高いならお得だ」と前向きに検討されていたそうです。
300万円 × 年2.5% × 3ヶ月(=1/4年)
= 税引前:18,750円/税引後:約15,000円程度
3,000万円のうち、優遇金利が適用されるのはわずか300万円のみ。
残りの2,700万円は、ほとんど金利がつかないまま据え置かれてしまいます。
つまり、全体で見ると実質的な利回りは0.2~0.3%程度にとどまる可能性があります。
ご両親としては「銀行が言うなら安心」「今動かさないと損をするかも」という思い。
一方で、お客様は「本当にそれでいいのか?このまま進めて大丈夫か?」という冷静な目線を持たれていました。
実際に提案されていた投資信託には:
もちろん、金融商品に“良い・悪い”があるわけではありません。
しかし、その人の「目的」に合っているかどうかが最も大切です。
提案内容を一通り整理したあと、お母さまがふとこうおっしゃいました。
「実は…保険のことも見てもらえます?」
お話をうかがうと、死亡保障・医療保険・がん保険などを合わせて月5万円近くの保険料を支払われていました。
いずれも加入から10年以上が経過しており、保障内容が現代の医療に合っていない部分も見受けられました。
特に医療・がん保険では、
といった、時代に合わない設計が残っていたのです。
そのため今回は:
という形で、医療・がん保険は最新の保障内容に合った保険へ加入し直されました。
なお、こうした見直しができたのは、ご夫婦ともに健康状態が良好だったからこそです。
健康状態によっては加入し直せないケースもあるため、早めの見直しが鍵になります。
ご相談の最後、お父さまがこうおっしゃいました。
「銀行の人も丁寧に説明してくれたけど、こうやって“何のためにどう使うか”をじっくり話せたのは初めてかもしれないな」
お母さまも「保険のことも気になっていたから、一緒に見てもらえて本当に良かった」と安心したご様子。
そして、お客様からもこんなお言葉をいただきました。
「親の人生だから、私があれこれ言うのも違うと思っていました。
でもこうして専門家に同席してもらえて、本当に安心できました」
退職金の受け取りはゴールではなく、これからの人生のスタート地点です。
「お得に見えるキャンペーン」や「今しかない」という言葉に流される前に、
“自分たちにとって本当に合っているのか?”を一度立ち止まって考えることが大切です。
今回のように、ご本人だけでなくご家族が「相談してよかった」と感じられること。
それこそが、私たちがご提供したい“価値ある時間”です。
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