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がん保険は本当に必要か?|公的データと実務経験から導く現実的な判断基準

2025.07.11

1|はじめに:「がん保険の必要性」を冷静に見つめ直す

がん保険について「入るべきかどうか」を問う声は非常に多く聞かれます。
実際、保険業界に20年以上携わってきた私自身、数多くのご相談を受けてきました。

テレビCMなどでよく耳にする「2人に1人ががんになる時代」という表現は、正確には「生涯でがんに罹患する確率」を示しています。

  • 男性:約65.5%(約3人に2人)
  • 女性:約51.2%(約2人に1人)
    ※出典:国立がん研究センター「最新がん統計(2022年版)」

この数字は、がんのリスクが決して他人事ではないことを示唆していますが、一方で「今すぐ半数ががんにかかる」と誤解を与える表現でもあります。

この記事では、がん保険が本当に必要な人とは誰なのか、現場の実例と公的データをもとに冷静かつ論理的に考察します。


2|がんの罹患傾向は年代・性別で大きく異なる

年代別・性別による主ながん種(2022年推計)

年代 男性の主ながん種 女性の主ながん種
30代 睾丸がん、胃がん、白血病 乳がん、子宮頸がん、甲状腺がん
40代 肝臓がん、大腸がん 乳がん、子宮体がん
50代 肺がん、前立腺がん 大腸がん、乳がん
60代 胃がん、前立腺がん、肺がん 大腸がん、肺がん、乳がん

※出典:国立がん研究センター「がん罹患数・罹患率(全国推計値)」2022年版


3|「不要論」にも一定の合理性はある

  • 高額療養費制度により、一定以上の医療費は自己負担限度額を超えない
  • 医療の進歩により、がんの多くは早期治療が可能となってきている
  • 若年層のがん罹患リスクは相対的に低い
  • 十分な貯蓄があれば自力で対応できる

私の長年の顧客対応経験でも、がん保険を利用するに至らなかった方の方が圧倒的に多いことは事実です。


4|それでも備えていたことで救われた事例も多い

陽子線治療(名古屋西部医療センター)

  • 肺腺がん:治療費 約287万円
  • 前立腺がん:治療費 約312万円
  • 自由診療扱いのため公的保険外
  • がん保険の給付金で全額補填

刈谷総合病院での卵巣がん

  • 入退院を繰り返し、がん診断一時金を5回給付
  • 入院給付金も複数回支払い

安城厚生病院での乳がん

  • 手術後に抗がん剤治療→2年以上のホルモン療法
  • 治療給付金を毎月受給。「本当に助かった」との感謝

再発・緩和ケアまで続いた盲腸がん

  • 初発時:手術+抗がん剤、一時金・入院・手術給付金
  • 1年後再発し、長期入院・抗がん剤治療・緩和ケア病棟へ
  • 最後まで入院給付金の支給が続いた

5|高額療養費制度の限界:毎月の支出は避けられない

年収別|高額療養費制度の自己負担限度額(月額)

年収の目安 自己負担限度額(月額)
300万円以下 約35,400円
500万円前後 約87,430円
800万円以上 約140,100円

※出典:厚生労働省「高額療養費制度の概要」2024年版


6|「治療はしない」と言っていた方が実際に聞いてきたこと

かつて「自分は治療なんてしない、そのまま死ぬよ」と話していた方が、
がんと診断された後、こう尋ねてきました。

「私の保険、治療費出ますか?」

その方は、以前に私からがん保険をご提案した際に「死亡保障だけでいい」と断った方でした。
そのことを忘れていた様子でしたが、私はその瞬間、言葉を失いました。


7|「若いから大丈夫」と言っていた28歳女性の話

悪性リンパ腫を発症された28歳の女性。
当時加入していた「がん年金型の保険」が毎年給付を続け、治療を支えました。

「まさか自分がなるとは思わなかった。本当に助かりました」

回復後は結婚・出産も経験し、今は元気に暮らされています。


8|とても残念だったケース:シングルマザーの後輩

保険会社の後輩だったシングルマザー。営業同行やロープレ指導もしていた方が、退職後に大腸がんを発症。

お見舞いに行った際に「保険、入っててよかったね」と声をかけたら、

「辞めたときに保険も解約しちゃったんだよね…」と。

「仕事のために保険に入っていた」その結果、自分を守る備えを手放していたという現実に、強い無力感を覚えました。


9|結論:がん保険は“必要な人には必要なもの”

がん保険は「絶対に入るべき」とは言いません。
けれど、次のような人には「あるべき支え」になると私は思います。

  • 長期治療の可能性を考慮したい人
  • 自由診療を選ぶかもしれない人
  • 自営業などで収入が不安定な人
  • 家計を守りながら治療に専念したい人

大切なのは、「保険に入ること」よりも「どんな備え方が、自分にとって現実的か?」を見極めることです。


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今の保険が自分に合っているか見直したい方、がん保険に不安や疑問がある方。
20年以上の経験をもとに、営業目的ではなく“等身大のアドバイス”をさせていただきます。

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