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2025年11月18日。
海沿いの静かな大分・佐賀関の街が、一瞬で悪夢にのみ込まれました。
わずか数時間で170棟以上が焼失、焼失面積は約4万9,000㎡(東京ドーム1個分)。
1.4km離れた無人島にまで火の粉が渡り、180名以上が避難。1名が亡くなる痛ましい火災となりました。
そして、この火災は「遠くの話」ではありません。
名古屋で生活するあなたに“直結する警告”です。
なぜなら――隣の家からの火災であなたの家が焼けても、相手に賠償請求はできないからです。
今回の大火を拡大させた原因は非常にシンプルです。
そして、同じ“火災が広がりやすい地形”は名古屋にも存在します。
名古屋市は公式に“木造住宅密集地域(11地区)”を指定しています。
例えば御剱地区だけでも約2,500軒。
高齢化も進み、延焼リスクは年々高まっています。
「うちはそこまで密集していないから大丈夫」
――そう思いがちですが、それは非常に危うい“楽観”です。
多くの方が誤解しているポイントがこれです。
隣の家の火事で自宅が延焼したら、火元に請求できるのでは?
残念ですが、できません。
日本には明治から続く「失火責任法」があり、
重大な過失がなければ、火元は賠償責任を負わない。
と明確に定めています。
つまり、
――こうした状況でも、法的には火元に1円も請求できないのです。
損害を補う“唯一の手段”はあなた自身の火災保険です。
今回の火災では1.4km離れた島に飛び火しました。
火災工学の研究では、風速10m/sの条件下では
火の粉が1〜2km移動することが確認されています。
つまり、
こんな“安全そうな”場所でも、飛び火は容赦なく届きます。
名古屋は冬の北西風・春の南東風が強く、
地形的に飛び火しやすい土地です。
「距離があるから安心」は通用しません。
今回の大分火災は、火災保険の本質を突きつけました。
それは、
火災保険は、隣家の火災に備える保険である
という現実です。
自宅で出火しなくても、あなたは突然“被害者”になります。
そして、賠償請求はできません。
では、どんな補償を準備すべきなのか?
隣家の火災で自宅が燃えた場合、補償するのはあなたの火災保険だけです。
築20年以上の木造住宅なら、修復費が1,500万円前後になることも珍しくありません。
古い契約のまま保険金額が低い方は注意が必要です。
これは“自宅が火元になった場合”の補償です。
隣家が火災保険に加入していても、保険金額が不足しているケースは多く、
その不足分(最大1億円)を補う特約です。
ご近所トラブルの回避にも役立つ、実務上非常に重要な特約です。
火災で迷惑をかけた近隣へ
1世帯につき20〜50万円の見舞金が支払われます。
金額としては小さくても、人間関係を守る点で大きな効果があります。
ここは誤解が多い部分です。
この2つはあなたの家が延焼した時には 1円も出ません。
あなたを守る補償は
自分自身の火災保険だけです。
2025年前後で各社が火災保険料を値上げしています。
背景は明確です。
「何も起きていないから保険を安くしたい」
――この判断が、人生の後半戦で最も危険です。
今回の佐賀関の火災は、
“何も起きていなかった人ほど被害が甚大になる”ことを示しました。
50代・60代は、
住まいのリスクが家計に与える影響が
“人生全体を変える年代”です。
火災保険の見直しは、
単なる家計管理ではなく、
人生の安全保障そのものです。
・「もし隣で火災が起きたら?」
・「飛び火で自宅が燃えたら?」
・「保険金額は十分か?」
・「家財もカバーされているか?」
この4つを真剣に考えることは、
家族と資産を守るための“最低限の備え”です。
必要であれば、あなたの状況に応じた最適な補償設計もご提案できます。
※本記事の内容は2025年11月時点の情報に基づく一般的な解説です。契約内容や補償可否は保険会社ごとに異なるため、必ず加入先または専門家にご確認ください。
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