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退職金を受け取ったとき、多くの方が最初に抱くのは「このお金、いったい何年もつのか?」という不安です。
・100歳まで生きたら足りなくなるのでは?
・何年を想定して運用計画を立てるべき?
・自分の寿命なんてわからない…
こうしたモヤモヤを整理する第一歩が、「資産寿命計画(ライフスパン設計)」です。
退職金を何年のスパンで運用するかを明確にすることで、“老後の安心の見える化”が始まります。
厚生労働省の「簡易生命表(2023年)」によると、
日本人の平均寿命は男性81.1歳、女性87.1歳。
ただしこれは「0歳児の平均寿命」です。
60歳や65歳時点の“残りの生存年数”を示す「平均余命」は、もう少し長くなります。
| 年齢 | 男性の平均余命 | 女性の平均余命 |
|---|---|---|
| 60歳 | 約22.1年(82歳) | 約28.8年(88歳) |
| 65歳 | 約18.3年(83歳) | 約24.0年(89歳) |
| 70歳 | 約14.9年(85歳) | 約19.7年(90歳) |
| 75歳 | 約11.9年(87歳) | 約15.6年(91歳) |
つまり、65歳で退職した男性なら「約20年」、女性なら「約25年」は生活が続くということ。
さらに健康寿命が延びている現代では、90歳〜100歳まで生きる可能性も視野に入れるべきです。
将来の見通しを立てるには、複数の前提で試算するのが現実的です。
退職金の運用期間は、次の3つのシナリオで考えてみましょう。
「長生きリスク」を避けるには、100歳までを想定しておくと安心です。
運用期間が決まれば、年間にどれだけ取り崩せるかが見えてきます。
年間取り崩し額 = 退職金 ÷ 運用年数
例:退職金2,000万円を30年間で運用する場合
→ 2,000万円 ÷ 30年 = 年間約67万円(約5.6万円/月)
この金額は、年金収入に上乗せする“補助的な生活資金”として考えるとイメージしやすいでしょう。
→ 年金(夫婦合計 約25万円/月)+ 取り崩し6万円/月 = 月31万円の生活資金
退職金の運用期間を「平均余命から逆算」して設計することで、
“漠然とした不安”が“数字で見える安心”に変わります。
人生100年時代。
正確に寿命を当てることは誰にもできませんが、長く生きる前提で備えることが、最も現実的なリスク対策です。
情報提供と免責(2025/11/05時点):本記事は公表資料に基づく一般的な解説であり、特定の運用・商品を推奨するものではありません。詳細や最終判断は、必ず公的機関・金融機関の最新資料をご確認ください。
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