【2025年最新】年収1,000〜1,500万円世帯が知るべき高校無償化と奨学金活用法
はじめに
「私立志望だけど学費が不安」「大学資金の準備が追いつかない」。年収1,000〜1,500万円のご家庭は一見“余裕がありそう”と見られますが、実態は教育費と老後資金の同時確保というプレッシャーに直面しがちです。2025年・2026年の制度変更は、この層にとって見過ごせない追い風です。名古屋で二人の息子の中学受験・進学を経験した立場から、事実に基づく制度理解と家計戦略をまとめます。
1|2025年・2026年で何が変わる?要点整理
1-1|2025年度:従来対象外世帯にも「基準額」を臨時支援
2025年度は、高校授業料の返還不要の支援について、従来の所得目安(年収約910万円未満)を超える世帯にも、年額11万8,800円(基準額)を支給する臨時支援が導入されました(申請が必要・年度限り)。これにより高所得帯も基準額の支援を受けられます。
1-2|2026年度:私立は「上限45万7,000円」・所得制限撤廃の方針
2026年度からは、世帯収入にかかわらず私立高校の就学支援金を上限45万7,000円とする方向性が示されています(通信制は別上限)。制度詳細は確定に向けて設計中ですが、所得制限撤廃の方針が明示されています。
1-3|自治体の上乗せも確認
国の就学支援金に加えて、都道府県・市区町村の独自助成が併用できる場合があります。該当地域・学校の案内を必ずご確認ください(例:上限額の上乗せなど)。
2|「多子世帯」×「高等教育」の要点(2025年度〜)
扶養する子どもが3人以上の世帯では、2025年度から大学・短大・高専・専門学校の授業料・入学金の減免を所得制限なく実施(国の定める一定額まで)。生活支援に当たる給付奨学金は別枠で、区分により0円となることもあります。まずは授業料等の減免の該当可否を確認しましょう。
3|年収1,000〜1,500万円層が陥りやすい誤解と対策
3-1|「うちは対象外」の先入観で申請しない
- 高校:2025年度は臨時の基準額支援、2026年度は私立上限45.7万円方針。学校経由の案内を必ず申請。
- 大学等:多子世帯の授業料等減免は強力。給付奨学金は別枠・別要件。
3-2|「奨学金=借金は悪」という固定観念
日本学生支援機構(JASSO)の貸与奨学金は、第一種(無利子)と第二種(有利子)。第二種は固定か5年ごとの見直しを選べ、金利は制度上のルールに基づき決まります。親の老後資金を守る「時間の分散」手段として位置づけると合理的です。
4|家計インパクトの掴み方(簡易シミュレーションの視点)
| ケース | ポイント |
|---|---|
| 公立高校 | 2025年度は臨時支援で基準額11万8,800円。教材・諸費用は別途。 |
| 私立高校 | 2026年度から上限45万7,000円の方針。超過分と諸費用は自己負担。 |
| 多子世帯×大学等 | 所得不問で授業料・入学金の減免(上限あり)。給付奨学金は別区分。 |
5|名古屋の受験現場で見えた「家計が強い家庭」の共通点
- 先生任せにせず、制度を毎年確認して確実に申請。
- 学校の理念と子の適性を重視し、過度な外部投資を抑制。
- 親の心理的負担を減らす資金計画=家庭全体の学習環境を安定化。
6|実務ステップ(チェックリスト)
- 2025年度:在籍校経由で臨時支援(基準額)の案内・申請を済ませた。
- 2026年度:私立志望なら45.7万円上限の自己負担試算を作成。
- 自治体助成・学校独自減免の併用可否を確認した。
- 多子世帯:大学等の授業料・入学金減免の対象判定を行った。
- 給付奨学金(返済不要)と貸与(第一種/第二種)の違い・併用ルールを把握した。
7|老後資金と両立させる設計のコツ
- 制度で浮く額をまず把握(基準額・上限・自治体上乗せ)。
- 浮いた資金は、つみたて投資・iDeCo・企業型DC・退職金運用へルール化。
- 配偶者の就業・収入見直しも前提に、5〜10年の資金繰り表を作成。
出典・参考
- 文部科学省「高校生等への修学支援」:2025年度の臨時支援(基準額11万8,800円)等。
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」:多子世帯拡充(授業料・入学金の減免、所得不問)。
- 文部科学省資料「子供3人以上世帯の授業料等の無償化拡充」:制度概要。
- 自由民主党サイト「高校無償化 制度設計について」:2026年度からの私立45.7万円・所得制限撤廃方針。
- 日本学生支援機構(JASSO):給付奨学金の支給額、第一種・第二種の制度・利率。
情報提供と免責(2025/10/28時点):本記事は公表資料に基づく一般的な解説であり、制度・商品等の推奨ではありません。詳細や最終判断は必ず公式発表・学校・自治体の案内をご確認ください。
